男性の性病検査キットとは?郵送検査の流れ、選び方、無料で受けられる保健所
参考にした論文や資料は記事の最後に載せています。医師の監修は受けていません。編集方針
心当たりがあっても、病院に行くのはためらうものです。郵送検査キットなら、自宅で検体を採って送るだけで結果がわかります。キットでわかること・わからないことと、保健所で受けられる無料の検査について紹介します。

性病(性感染症)の郵送検査キットは、自宅で尿や血液などの検体を採って送り、結果をウェブなどで確かめる検査です。誰にも会わずに受けられる一方、診断の代わりにはならず、陽性や症状があれば受診が必要です。日本では梅毒の届出が2023年に過去最多となり、その約6割が男性でした。多くの保健所では無料・匿名の検査もあります。
なぜ検査が大切か
世界保健機関(WHO)は、15〜49歳の人が性感染症のうち治療できるものに新たにかかる数は世界で1日100万件以上にのぼり、その多くは症状がないとしています。症状がないまま気づかずに過ごすと、パートナーにうつしたり、あとから体に影響が出たりすることがあります。
- わかったこと
- 2022年に1万件を超え、2023年は届出が始まってから最も多くなった。2024年は暫定値でほぼ同じ水準
- 男性の年代
- 20代から50代を中心に、幅広い年代で報告されている
- 注意
- 届出は診断された人の数で、実際に感染している人はこれより多い可能性があります
不安な機会があったとき、パートナーが変わったとき、パートナーに症状が出たときは、症状がなくても検査を考えるきっかけになります。
郵送検査キットとは
郵送検査キットは、インターネットで申し込み、自宅に届いたキットで自分で検体を採って検査機関に送る検査です。調べる病気(クラミジア、淋菌、梅毒、HIV、B型肝炎など)によって、尿・指先からの血液・のどのうがい液など、採る検体が変わります。
- よいところ:誰にも会わずに受けられる、好きな時間に検体を採れる、結果をウェブなどで確かめられる
- 限界:医師の診察ではないため診断はできない、採り方を誤ると正しい結果が出ないことがある、感染の機会から日が浅いと見つからないことがある(ウィンドウ期)
- 方法
- 参加者を、郵送検査キットを申し込めるサイトの案内を受ける群と、近くの診療所の情報だけを受ける群に分けて比べた比較試験
- わかったこと
- 郵送検査の案内を受けた群のほうが、検査を受けた人の割合が約2倍だった
- 注意
- 英国の公的な無料サービスでの結果で、日本の有料キットとは条件が違います
検査の流れ
- 申し込む:調べたい項目を選んでインターネットで申し込みます。項目をまとめたセットもあります。
- 届いたキットで検体を採る:説明書のとおりに採ります。検査に適した時期(感染の機会からどれくらいたってからか)も説明書で確かめてください。
- 返送する:同封の封筒などで検査機関に送ります。
- 結果を確かめる:ウェブサイトなどで、IDやパスワードを使って確認します。
- 陽性・判定保留なら受診:医療機関で、あらためて検査と診察を受けます。
選ぶときの5つのポイント
- 検査する機関:どこの検査機関(登録衛生検査所など)が調べるのかが書かれているか
- 検査項目:心配な病気と、そのための検体(尿・血液・のど)が含まれているか
- 結果の受け取り方:匿名で、本人だけが確認できる方法か
- 陽性だったときの案内:医療機関の紹介や相談窓口があるか
- 総額:キット代に加え、送料・返送料・追加項目を含めた総額
無料で受けられる保健所の検査
多くの保健所では、HIVや梅毒などの検査を無料・匿名で受けられます。予約が必要か、どの項目を調べられるか、結果がいつわかるかは保健所ごとに違うため、HIV検査相談マップやお住まいの自治体のサイトで確かめてください。費用をかけずに確かめたいときの第一の選択肢になります。
陽性だったら
陽性や判定保留だった場合は、泌尿器科や性感染症を診る医療機関を受診してください。多くの性感染症は、医師の診察のうえで薬による治療の対象になります。パートナーも検査を受けることが、うつし合いを防ぐために大切です。自己判断で手元の薬を飲んだり、インターネットで手に入れた薬を使ったりするのは避けてください。
よくある質問
性病の郵送検査キットはどうやって使いますか?
インターネットで申し込むと、検査キットが自宅に届きます。尿や血液(指先から少量)、のどのうがい液など、検査項目に合った検体を自分で採って返送すると、検査機関が調べ、結果はウェブサイトなどで確認できます。採り方や返送の時期はキットの説明に従ってください。
郵送検査キットの結果は信頼できますか?
郵送検査は、医療機関での検査の代わりに診断をするものではなく、受診のきっかけにするための検査です。検体の採り方が正しくない場合や、感染の機会から日が浅い場合は、正しい結果が出ないことがあります。陽性や判定保留だった場合、症状がある場合は、泌尿器科や性感染症を診る医療機関を受診してください。
無料で性病の検査を受ける方法はありますか?
多くの保健所で、HIVや梅毒などの検査を無料・匿名で受けられます。実施している検査の項目や日時は保健所ごとに異なるため、「HIV検査相談マップ」やお住まいの自治体のサイトで確かめてください。
症状がなければ性病の心配はありませんか?
そうとは限りません。世界保健機関(WHO)は、性感染症の多くは症状がないとしています。症状がなくてもパートナーにうつることがあるため、不安な機会があった場合やパートナーが変わった場合は、検査を考えてください。
参考文献
- 厚生労働省「日本の性感染症の発生動向(2)~梅毒について①~」(厚生科学審議会感染症部会 エイズ・性感染症に関する小委員会 資料、2025年5月14日) www.mhlw.go.jp/content/10906000/001534151.pdf(閲覧日 2026年10月13日)
- World Health Organization. Sexually transmitted infections (STIs). Fact sheet. www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/sexually-transmitte(閲覧日 2026年10月13日)
- Wilson E, et al. Internet-accessed sexually transmitted infection (e-STI) testing and results service: A randomised, single-blind, controlled trial. PLoS Med. 2017;14(12):e1002479. pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5744909/(閲覧日 2026年10月13日)
- HIV検査相談マップ(厚生労働科学研究費補助金エイズ対策政策研究事業 HIV検査体制の構築に関する研究班) www.hivkensa.com/(閲覧日 2026年10月13日)