サプリは意味ない?質の悪いサプリの見分け方:GMPマーク・機能性表示食品・成分量の確かめ方
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同じ「亜鉛」や「シトルリン」でも、商品によって中身も作り方も違います。パッケージのどこを見れば質の悪い商品を避けられるのか、公的な調査をもとに整理しました。

サプリは法律上「食品」で、医薬品のような承認の審査はありません。国民生活センターの調査では、錠剤やカプセルの健康食品100銘柄のうち42銘柄が、医薬品の基準の時間内に溶けませんでした。質の悪い商品を避けるには、表示の区分、1日あたりの成分量、GMPマーク、販売者の情報と定期購入の条件を確かめ、強壮をうたう個人輸入の商品は避けるのが基本です。
目次
サプリの品質に差が出る理由
医薬品は、成分の量や溶けやすさまで国の基準で決められ、承認を受けてから売られます。サプリは食品の扱いなので、錠剤の形をしていても、こうした基準を満たす義務は長くありませんでした。
そのため、同じ成分名の商品でも、1粒に入っている量、原料の質、工場の管理のしかたは商品ごとに違います。見た目が薬に似ていても、品質まで薬と同じとは限りません。
国内の調査でわかったこと
- 方法
- 10種類の成分について各10銘柄を買い、医薬品の基準で溶けるまでの時間と、50銘柄の成分量を調べた
- わかったこと
- 42銘柄が時間内に溶けなかった。成分量が表示と大きく違ったのは50銘柄中2銘柄。同じ成分でも、1日の目安量あたりの量は銘柄によって大きく違った
- 使用中の商品
- 家庭で使っている商品は、約半数が時間内に溶けず、成分量も未開封より少しだけ少ない傾向があった
- 注意
- 溶けにくいことが、そのまま体に吸収されないことを意味するわけではありません
同じ調査のアンケートでは、7割以上の人が「健康食品は厳しく管理されて作られている」と考えていました。実際には、商品によって品質にばらつきがあるということです。
表示と中身が違った海外の調査
- 方法
- 通販サイトで売られていた免疫をうたうサプリを買い、含まれる成分を分析した
- わかったこと
- 13製品で表示された成分が検出されず、9製品から表示にない成分が見つかった。第三者機関の品質認証マークがついた製品は1つもなかった
- 注意
- 免疫をうたう商品に限った調査で、30製品と数も少ない
もっと深刻なのが、医薬品の成分が隠れて入っている商品です。アメリカ食品医薬品局(FDA)が2007〜2016年に警告したサプリ700製品あまりを調べた研究(Tucker ら、2018年)では、45.5%が性機能をうたう商品で、その47%からED治療薬の成分(シルデナフィル)が見つかりました。2種類以上の医薬品成分が入っていた製品も約2割ありました。
日本でも、厚生労働省がインターネットで売られていた強壮用の健康食品を買い上げた調査で、50製品のうち33製品から医薬品成分が見つかっています(2013年度の買い上げ)。量がわからないまま医薬品をとることになり、心臓の薬を使っている人では血圧が下がりすぎるおそれがあります。
表示の区分と2026年の制度の変化
パッケージに書かれた区分で、国がどこまでかかわっているかが違います。
特定保健用食品(トクホ)
国が商品ごとに審査
効果と安全性を、消費者庁が商品ごとに審査して許可したもの。
機能性表示食品
事業者が国に届け出る
事業者が自分の責任で研究の根拠をそろえ、販売前に消費者庁へ届け出たもの。国の審査はないが、届け出た内容は消費者庁のサイトで誰でも見られる。
栄養機能食品
国の基準に合わせる
ビタミンやミネラル(亜鉛など)の量が国の基準の範囲に入っていれば、決められた文言で働きを表示できる。
いわゆる健康食品
区分の表示なし
上のどれにも当たらない商品。体への働きを表示することはできない。品質は商品によってさまざま。
2024年の紅麹サプリの健康被害をきっかけに、機能性表示食品の制度が見直されました。2024年9月から、事業者は健康被害の情報を受けたら国や都道府県に報告することが義務になり、2026年9月1日からは、錠剤やカプセルなどサプリの形をした機能性表示食品は、GMPに沿った製造が義務になっています。ただし、この義務は原料そのものの品質までは対象になっていません。
質の悪いサプリを避ける7つのチェック
- 表示の区分を見る:機能性表示食品なら、消費者庁の届出データベースで、根拠にした研究と1日の摂取目安量を確かめられます。
- 1日あたりの成分量が書いてあるか:「〇〇配合」だけで量がない商品は比べようがありません。「1粒あたり」と「1日あたり」の取り違えにも注意します。
- 研究で使われた量と比べる:研究の量より大幅に少ない商品は、研究と同じ条件ではありません。成分ごとの量はサプリの成分比較にまとめています。
- GMPマークを見る:日本健康・栄養食品協会などの認定を受けた工場や製品につくマークです。製造と品質の管理の目安で、効果の保証ではありません。
- 販売者と問い合わせ先がわかるか:会社名、住所、電話番号がはっきりしない商品は、何かあったときに相談できません。
- 大げさな表示がないか:「飲むだけで」「医師も驚いた」「サイズアップ」のような表示は、食品では書けない内容です。こうした表示のある商品は、表示のルールを守っていないと考えてください。
- 定期購入の条件と個人輸入を避ける:「初回500円」が実は数回の購入が条件ということがあります。最終確認の画面で回数と総額を確かめます。強壮やダイエットをうたう個人輸入の商品は買わないでください。
「サプリは意味ない」は本当か
半分は当たっています。アメリカの予防医療の専門委員会(USPSTF)は2022年、健康な大人がビタミンやマルチビタミンをとって心臓の病気やがんを防げるかは「根拠が不十分」とし、βカロテンとビタミンEについては予防のためにとらないよう勧めています。
一方で、食事で足りていない栄養素を補う目的なら意味があります。たとえば亜鉛は、不足している人で男性ホルモンとの関係が報告されていますが、足りている人がさらにとって何かが変わるという研究はありません(亜鉛の効果と1日の量)。まず食事を見直し、足りない分だけをサプリで補うのが基本です。
勃起や射精の悩みについては、サプリより研究の多い方法があります。運動や骨盤底筋のトレーニングはお金をかけずに始められます。
買ったあとの保管
国民生活センターの調査では、家庭で使っている商品は未開封の商品より溶けにくく、成分量も少しだけ少ない傾向がありました。ふたをきちんと閉め、湿気と高温を避けて保管し、別の容器に移し替えないようにします。期限の過ぎたものは飲まないでください。
よくある質問
サプリは意味がないのですか?
人によります。食事で足りている栄養素をサプリで足しても、病気を防げるという根拠はほとんどありません。アメリカの予防医療の専門委員会は2022年、健康な大人がビタミンやマルチビタミンをとって心臓の病気やがんを防げるかは「根拠が不十分」としています。一方、食事で足りていない栄養素を補う目的なら意味があります。
GMPマークがあれば安心ですか?
GMPマークは、決められた手順で製造と品質の管理をしている工場や製品につくマークです。表示どおりの成分を安定して作る体制の目安になりますが、体への効果を保証するものではありません。2026年9月からは、錠剤やカプセルの機能性表示食品はGMPに沿った製造が義務になりました。
海外のサプリは危ないですか?
国内で正規に売られている海外ブランドの商品は、日本の食品の基準に沿って輸入されています。注意したいのは、個人輸入や海外の通販サイトで買う商品です。アメリカでは、強壮をうたうサプリから医薬品成分が見つかった例が多く報告されています。強壮やダイエットをうたう海外の商品は避けてください。
参考文献
- 国民生活センター「錠剤・カプセル状の健康食品の品質等に関する実態調査-形状から、医薬品だと思っていませんか?-」(2019年8月1日)公的機関原文を見る閲覧日 2026年10月13日
- Crawford C, et al. Analysis of Select Dietary Supplement Products Marketed to Support or Boost the Immune System. JAMA Netw Open. 2022;5(8):e2226040.論文原文を見る閲覧日 2026年10月13日
- Tucker J, et al. Unapproved Pharmaceutical Ingredients Included in Dietary Supplements Associated With US Food and Drug Administration Warnings. JAMA Netw Open. 2018;1(6):e183337.資料原文を見る閲覧日 2026年10月13日
- 厚生労働省「平成25年度『インターネット販売製品の買上調査』の結果を公表します」(2015年12月28日)公的機関原文を見る閲覧日 2026年10月13日
- 健康産業新聞「『機能性表示食品』制度改正 サプリ形状のGMP要件化、届出後の自己評価等」(2024年9月30日)資料原文を見る閲覧日 2026年10月13日
- 日本食糧新聞「サプリ形状の機能性表示食品、あすGMP完全施行 原材料の品質確保に課題」(2026年8月31日)資料原文を見る閲覧日 2026年10月13日
- 日本健康・栄養食品協会「協会案内」(GMP認定、JHFAマーク、安全性自主点検認証)(2022年9月)資料原文を見る閲覧日 2026年10月13日
- 消費者庁 食品表示企画課「機能性表示食品制度の現状について」(2016年3月)公的機関原文を見る閲覧日 2026年10月13日
- US Preventive Services Task Force. Vitamin, Mineral, and Multivitamin Supplementation to Prevent Cardiovascular Disease and Cancer: Recommendation Statement. JAMA. 2022;327(23):2326-2333.論文(PubMed)原文を見る閲覧日 2026年10月13日


