早漏と骨盤底筋トレーニング:研究のまとめ
この記事は論文・学会・公的機関の資料をもとに作成し、出典を記事の最後に示しています。医師の監修は受けていません。編集方針
初めての性経験のころから続く早漏(生涯型)の男性40人に12週間の骨盤底筋トレーニングを行ったイタリアの研究が、2014年に欧州泌尿器科学会で紹介されています。多くの参加者で射精までの時間が延びたと報告されていますが、対照群のない小規模な研究です。早漏の悩みは泌尿器科・メンズクリニックで相談でき、ほかの選択肢もあります。
早漏の種類
早漏は、はじめての性経験のころから続く「生涯型」と、ある時期から起きるようになった「獲得型」に分けて考えられることが多いです。獲得型は、ED・前立腺の炎症・甲状腺の病気・ストレスなどがかかわることがあり、原因によって相談先や対応が変わります。
骨盤底筋と射精の関係
射精は、骨盤底筋の一部(球海綿体筋など)がリズミカルに収縮することで起こります。骨盤底筋を意識して動かせるようになることが、射精の反射に気づき、コントロールする助けになるのではないか、という考えから研究が行われています。
研究の内容
- 注意
- 比較のための対照群がない研究です。数字はトレーニングをした人の前後の変化です
- 方法
- 理学療法による骨盤底筋トレーニング(電気刺激・バイオフィードバックを含む)
- 発表
- 欧州泌尿器科学会(EAU)年次総会
研究の限界
- 参加者40人の小規模な研究で、比較のための対照群がありません。
- 研究者自身も「より大きな試験での確認が必要」「運動の方法はまだ標準化されていない」と述べています。
- 専門家の指導と機器を使った方法で、自宅で一人で行う運動と同じとは限りません。
有酸素運動の研究
骨盤底筋だけでなく、走るなどの有酸素運動と早漏の関係を調べた試験もあります。
- 比べたもの
- 走る運動をするグループ/薬(ダポキセチン)を使うグループ/比較のための軽い運動のグループ
- 報告
- 走る運動のグループでも射精までの時間が延び、その変化は薬のグループと同じくらいだった
- 注意
- 小規模で期間の短い試験です。2023年に英国の大学がまとめた総説でも、運動の研究は有望だが、より大きな研究が必要とされています
骨盤底筋・有酸素運動・筋トレを1週間にどう組み合わせるかは、男性の運動プランにまとめています。
医療機関で相談できること
泌尿器科やメンズクリニックでは、原因の確認のほか、内服薬・外用薬、行動療法(スタート・ストップ法など)、カウンセリングなどの選択肢を相談できます。パートナーとの関係や不安が影響していることもあるため、一人で抱え込まずに相談してみてください。
通院に抵抗がある場合は、ビデオ通話で医師に相談できるオンライン診療もあります。多くは自由診療で、料金や初診から受けられるかは医療機関によって違います。個人輸入の薬や、効果をうたうサプリメントには注意してください。
よくある質問
早漏にケーゲル体操は役立ちますか?
生涯型の早漏がある男性40人に12週間の骨盤底筋トレーニングを行ったイタリアの研究(Pastore ら、2014年)では、40人中33人が射精をコントロールできるようになったと報告されています。対照群のない小規模な研究で、研究者自身もより大きな試験での確認が必要だとしています。悩みが続く場合は医療機関に相談してください。
骨盤底筋トレーニングだけで十分ですか?
EDや早漏と運動の関係では、骨盤底筋トレーニングのほかに、有酸素運動(週150分前後)や、有酸素運動と筋トレの組み合わせも研究されています。どれも小規模な研究が中心で、運動が治療の代わりになるとはいえません。3つの運動の研究と週の組み立て方は男性の運動プランにまとめています。
このアプリやサイトでEDや早漏は治りますか?
「必ず治る」とお約束することはできません。メンズコアは、EDや早漏の悩みに向き合う男性のために、研究で効果が報告されている方法を届けるサイトとアプリです。骨盤底筋トレーニングや有酸素運動は、臨床試験で勃起機能や射精のコントロールに変化が見られたと報告されている方法の一つで、科学的な根拠にもとづくトレーニングとして提供しています。ただし研究の多くは小規模で、すべての人に同じ効果があるとは限りません。医療機器でも治療の代わりでもないため、症状が続く場合は医療機関への相談もあわせて検討してください。
参考文献
- Pastore AL, et al. Pelvic floor muscle rehabilitation for patients with lifelong premature ejaculation: a novel therapeutic approach. Ther Adv Urol. 2014;6(3):83-88. doaj.org/article/aea4980b10dd4dd791f1f3168656deb5(閲覧日 2026年10月13日)
- Kilinc MF, et al. Impact of physical activity on patient self-reported outcomes of lifelong premature ejaculation patients: results of a prospective, randomised, sham-controlled trial. Andrologia. 2018;50(1):e12799. search.pedro.org.au/search-results/record-detail/52397(閲覧日 2026年10月13日)
- Anglia Ruskin University. Exercise could help combat premature ejaculation, study suggests(Trends in Urology & Men's Health 掲載の総説の紹介、2023年) www.irishnews.com/magazine/science/2023/03/07/news/exercise_(閲覧日 2026年10月13日)