ED改善のためにできること:研究されている5つの方法と受診の目安
この記事は論文・学会・公的機関の資料をもとに作成し、出典を記事の最後に示しています。医師の監修は受けていません。編集方針
EDは、日本の男性の約3人に1人が当てはまるといわれます。年齢のせいと諦める前に、薬だけに頼らず、自分でできることもあります。運動や生活習慣とEDの関係を調べた研究と、医療機関で相談できることをまとめました。
運動や生活習慣とEDの関係で研究されているのは、有酸素運動(週160分前後)、骨盤底筋トレーニング、有酸素運動と筋トレの組み合わせ、体重を減らすための食事と運動などです。ただしEDは心臓や血管の病気のサインのこともあります。まず医療機関で原因を確かめ、運動はそのうえで続けるのが安心です。
EDに当てはまる男性は、約3人に1人
日本性機能学会が2023年に20〜79歳の男性6,228人に行った全国調査では、30.9%がEDに当てはまるという結果でした(勃起の硬さを4段階で答える質問票による)。全国では約1,400万人にあたる推計です。年齢とともに増えますが、若い世代にもみられます。
勃起のしくみと主な原因
勃起は、性的な刺激で陰茎の血管が広がり、血液が流れ込んでとどまることで起こります。つまり血管・神経・筋肉・ホルモン・心のどれかがうまく働かないと、EDが起こりやすくなります。
| 原因 | 主なもの |
|---|---|
| 血管・体 | 動脈硬化、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙、運動不足 |
| 心 | ストレス、不安、うつ、パートナーとの関係 |
| 薬・その他 | 一部の降圧薬や抗うつ薬の副作用、前立腺の手術、男性ホルモンの低下 |
体の原因と心の原因が重なっていることも多くあります。運動で研究されているのは、主に「血管・体」の部分です。
研究されている5つの方法
方法1有酸素運動を、週160分
勃起を支える血管の働きは、全身の血流と深くかかわっています。運動とEDの介入研究をまとめた系統的レビューでは、次のような量が提案されています。
- 対象
- 運動不足・肥満・高血圧・メタボリック症候群・心血管の病気がかかわるEDの男性を対象にした介入研究
- 著者らの提案
- 中〜高強度の有酸素運動を上の量で続ける(週160分)
- 注意
- 原因がほかにあるEDには当てはまりません
「中〜高強度」は、早歩き・ジョギング・自転車など、少し息がはずむくらいの運動です。しばらく運動していない場合は、早歩き20分を週3〜4日から始めて少しずつ延ばします。
方法2骨盤底筋トレーニング
陰茎の付け根を囲む坐骨海綿体筋は、勃起したときに血液をとどめる働きにかかわると考えられています。この筋肉を含む骨盤底筋を鍛える方法が、ランダム化比較試験で調べられています。
- 方法
- 理学療法士の指導による骨盤底筋トレーニングと、生活習慣の指導だけのグループを3か月比較
- 注意
- 小規模な研究で、指導つきの方法です
やり方は男性のケーゲル体操のやり方で、研究の内容はケーゲル体操とEDで紹介しています。
1分ケーゲルを、いまやってみる方法2は、ここで1分だけ試せます。断面図の動きに合わせて、締める・ゆるめるを10回。登録もアプリも不要です。 EDが気になる方へ自信を、方法3筋トレを、有酸素運動と組み合わせる
- 対象
- 前立腺がんの治療を受けた男性
- 方法
- 有酸素運動20〜30分と、筋トレ6〜8種目(各6〜12回)を週3回
- 報告
- 6か月後、運動のグループで勃起機能の評価が通常ケアのグループより良かった
- 注意
- 前立腺がんの男性の研究で、ほかの男性にそのまま当てはまるとは限りません
筋トレは、スクワットやブリッジなど器具のいらない下半身と体幹の運動から始められます。回数・時間を含むメニューと食事のコツは勃起力を鍛えるには?にまとめています。
方法4体重を減らす:食事と運動の見直し
- 方法
- 体重を10%以上減らすことを目標に、食事のカロリーを減らし運動を増やす詳しい指導と、一般的な健康情報だけのグループを比較
- 注意
- 肥満で、糖尿病・高血圧・脂質異常症のない男性の研究です
お腹まわりの脂肪は、血管の働きや男性ホルモンにも影響すると考えられています。急に減らす必要はなく、運動を続けながら食事を少しずつ整えていきます。食事の研究は勃起力を鍛えるには?で紹介しています。
方法5たばこ・お酒・睡眠を整える
喫煙は血管に負担をかけ、EDの原因の一つとして知られています。お酒の飲みすぎや睡眠不足も、勃起に影響することがあります。禁煙が難しい場合は、禁煙外来で相談することもできます。
方法1〜3の3つの運動を1週間にどう組み込むかは、男性の運動プランで紹介しています。
受診の目安と、医療機関でできること
EDは、心臓や血管の病気のサインになることがあります。次のような場合は、運動を始める前に泌尿器科・メンズクリニック・内科で相談してください。
- 勃起の悩みが数か月以上続いている、または急に起きるようになった
- 糖尿病・高血圧・脂質異常症などがある、または健診で指摘された
- 胸の痛みや息切れなど、ほかの体の変化もある
医療機関では、勃起を助ける飲み薬(PDE5阻害薬)が一般的に使われています。多くは自由診療で、料金は医療機関によって違います。スマートフォンのビデオ通話で医師に相談し、薬が自宅に届くオンライン診療もあります。持病や服用中の薬は必ず医師に伝え、個人輸入の薬や効果をうたうサプリメントは避けてください。
研究の限界
- 運動の研究は、参加者が数十〜百人ほどと少なく、期間も3か月〜2年です。
- 多くは専門家が指導した運動で、一人で行う運動やアプリで同じ結果になるかはわかりません。
- 心の原因や薬の副作用によるEDなど、運動の研究が当てはまらない場合もあります。
- 心臓の病気などがある方は、運動を始める前に医師に相談してください。運動中に胸の痛み・息切れ・めまいが出たら中止してください。
よくある質問
EDは運動や生活習慣で改善できますか?
有酸素運動(週160分前後)、骨盤底筋トレーニング、体重を減らすための食事と運動などが研究されています。たとえば肥満の男性110人のランダム化比較試験(Esposito ら、2004年)では、2年間生活習慣を見直したグループの約3割で勃起機能の評価が正常の範囲になったと報告されています。ただしEDは心臓や血管の病気のサインのこともあるため、まず医療機関で原因を確かめることが大切です。
ケーゲル体操はEDに効果がありますか?
英国で55人の男性を対象にしたランダム化比較試験(Dorey ら、2004年)では、骨盤底筋トレーニングを続けたグループで勃起機能の評価が良くなったと報告されています。ただし小規模な研究で、EDの原因は血管・神経・ホルモン・心理面などさまざまです。EDの悩みはまず泌尿器科やメンズクリニックに相談してください。
骨盤底筋トレーニングだけで十分ですか?
EDや早漏と運動の関係では、骨盤底筋トレーニングのほかに、有酸素運動(週150分前後)や、有酸素運動と筋トレの組み合わせも研究されています。どれも小規模な研究が中心で、運動が治療の代わりになるとはいえません。3つの運動の研究と週の組み立て方は男性の運動プランにまとめています。
このアプリやサイトでEDや早漏は治りますか?
「必ず治る」とお約束することはできません。メンズコアは、EDや早漏の悩みに向き合う男性のために、研究で効果が報告されている方法を届けるサイトとアプリです。骨盤底筋トレーニングや有酸素運動は、臨床試験で勃起機能や射精のコントロールに変化が見られたと報告されている方法の一つで、科学的な根拠にもとづくトレーニングとして提供しています。ただし研究の多くは小規模で、すべての人に同じ効果があるとは限りません。医療機器でも治療の代わりでもないため、症状が続く場合は医療機関への相談もあわせて検討してください。
参考文献
- 日本性機能学会 臨床研究促進委員会「日本人男性の性機能に関する全国調査」(2023年実施、20〜79歳の男性6,228人)2024年7月公表 newscast.jp/smart/news/4712306(閲覧日 2026年10月13日)
- Gerbild H, et al. Physical Activity to Improve Erectile Function: A Systematic Review of Intervention Studies. Sex Med. 2018;6(2):75-89. doaj.org/article/91eb296258654277ba5cb0268ced6754(閲覧日 2026年10月13日)
- Dorey G, et al. Randomised controlled trial of pelvic floor muscle exercises and manometric biofeedback for erectile dysfunction. Br J Gen Pract. 2004;54(508):819-825. pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1324914/(閲覧日 2026年10月13日)
- Galvão DA, et al. Exercise and psychosexual education to improve sexual function in men with prostate cancer: a randomized clinical trial. JAMA Netw Open. 2025. ascopost.com/news/march-2025/exercise-intervention-may-impro(閲覧日 2026年10月13日)
- Esposito K, et al. Effect of lifestyle changes on erectile dysfunction in obese men: a randomized controlled trial. JAMA. 2004;291(24):2978-2984. search.pedro.org.au/search-results/record-detail/11354(閲覧日 2026年10月13日)
- Myers C, Smith M. Pelvic floor muscle training improves erectile dysfunction and premature ejaculation: a systematic review. Physiotherapy. 2019;105(2):235-243. researchonline.jcu.edu.au/57900/(閲覧日 2026年10月13日)