ED・早漏と食事:精力のつく食べ物はある?研究でわかっていること
この記事は論文・学会・公的機関の資料をもとに作成し、出典を記事の最後に示しています。医師の監修は受けていません。編集方針
うなぎ、牡蠣、にんにく。「精力がつく」と言われる食べ物は多いものの、研究で確かめられているのは、ひとつの食品より毎日の食事の組み立て方です。ED・早漏と食事について、何がどこまでわかっているのかを出典つきで整理しました。
研究で関係が報告されているのは、ひとつの「精力のつく食べ物」ではなく、野菜・果物・豆・魚・オリーブオイルが多い食事のパターンと、体重を減らす食事と運動です。亜鉛やアルギニンは不足している人や軽いEDの人で研究されていますが、規模は小さく、治療の代わりにはなりません。早漏と食事の関係は、ほとんど研究されていません。
食事のパターンとED
勃起は、陰茎の血管が広がって血液が流れ込むことで起こります。そのため、血管や血糖に負担をかける食事は勃起にもかかわると考えられていて、食事全体の「パターン」とEDの関係が調べられています。
- わかったこと
- 地中海食に最も近い食事の60歳未満の男性は、最も遠い男性に比べてEDになる割合が22%低かった(ハザード比0.78)。植物性の食品を中心にした食事の質が高い人でも、EDが少ない傾向があった
- 注意
- 食事と病気の関係を観察した研究で、食事を変えればEDが防げると確かめたものではありません
- 方法
- 食事のカロリーを減らし、運動を増やして体重を10%以上減らすよう、2年間くり返し指導した
- 注意
- イタリアの1施設の研究で、対象は肥満の男性に限られます。食事と運動を同時に変えているため、食事だけの効果はわかりません
地中海食は、野菜・果物・豆・ナッツ・全粒の穀物・魚・オリーブオイルが多く、赤身肉や加工肉が少ない食事です。和食は魚・大豆・野菜が多く、共通する部分があります。
果物・野菜のフラボノイド
- わかったこと
- フラボノイドのうち、フラボン・フラバノン・アントシアニンを最も多くとっていた男性は、最も少ない男性に比べてEDになる割合が約1割低かった(相対リスク0.89〜0.91)
- 多い食品
- アントシアニンはベリー類、フラバノンはみかん・オレンジなどの柑橘類に多く含まれます
- 注意
- 食事の記録と病気の関係を観察した研究で、果物を食べればEDが防げると確かめたものではありません
果物や野菜を多く食べる人は、運動や体重など、ほかの習慣も違う可能性があります。研究ではこうした違いを統計的に調整していますが、すべてを取り除くことはできません。
体重・血糖・お酒・たばこ
EDは、肥満・糖尿病・高血圧・脂質異常症など、血管にかかわる病気と一緒に起こりやすいことが知られています。食事で特に見直したいのは、次の4つです。
- 食べる量と体重:お腹まわりの脂肪が増えているなら、まず量を少し減らします。上の研究でも、評価されたのは体重を減らす食事と運動の組み合わせでした。
- 甘い飲み物と間食:血糖が高い状態が続くと、血管や神経に負担がかかります。清涼飲料水や甘いコーヒー飲料を、水やお茶に置き換えるところから。
- お酒:飲みすぎると、その場の勃起にも影響します。毎日飲む人は、飲まない日をつくるところから。
- たばこ:血管に負担をかけ、EDの原因の一つとして知られています。禁煙外来では、保険で禁煙の治療を受けられる場合があります。
亜鉛は男性に必要?
亜鉛は、牡蠣・牛肉・豚レバー・卵・大豆製品などに多いミネラルです。「精力のつく栄養素」としてよく紹介されるのは、男性ホルモン(テストステロン)との関係が研究されているためです。
- わかったこと
- 亜鉛を制限すると血中のテストステロンが下がり(39.9→10.6 nmol/L)、亜鉛がやや不足していた高齢の男性が補うと上がった(8.3→16.0 nmol/L)
- 注意
- 参加者がとても少ない研究です。対象は亜鉛が不足した状態の人で、足りている人がさらにとって勃起がよくなると確かめたものではありません
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人男性の推奨量は1日9.0〜9.5mgです。一方、とりすぎにも上限があり(18〜29歳と75歳以上は1日40mg、30〜74歳は45mg)、サプリメントで長くとりすぎると銅の欠乏や貧血、胃の不調が起こることがあります。普段の食事で足りない人が補うもので、多くとるほど良いものではありません。
アルギニン・シトルリン
アルギニンは、血管を広げる一酸化窒素(NO)の材料になるアミノ酸です。シトルリンは体内でアルギニンに変わる成分で、すいかなどのウリ科の野菜に含まれます。
- わかったこと
- 軽度〜中等度のEDの男性で、アルギニンをとったグループは偽薬のグループより勃起機能の評価が改善した人が多かった(オッズ比3.37)
- 副作用
- 胃の不調などが、アルギニンのグループで8.3%、偽薬のグループで2.3%に報告された
- 注意
- まとめられた試験は小規模で、量や期間もばらばらでした。重いEDや、ほかの病気が原因のEDには当てはまりません
シトルリンのEDについての研究は、アルギニンよりさらに少なく、規模も小さいものに限られます。どちらも食品やサプリメントとして売られていますが、薬の代わりにはなりません。血圧の薬や、勃起を助ける薬を飲んでいる人は、とる前に医師や薬剤師に相談してください。
早漏と食事
早漏(射精までの時間が短い悩み)と食事の関係は、EDに比べてほとんど研究されていません。「早漏に効く食べ物」として紹介されるものの多くは、根拠となる研究が見当たらないか、ごく小さなものです。
研究が多いのは、射精をコントロールする練習、骨盤底筋トレーニング、医療機関での治療です。食事は体調を整える土台として考え、早漏の悩みには早漏改善のためにできることで紹介している方法をあわせて検討してください。
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研究の結果に沿って、毎日の食事で変えやすいことをまとめました。全部でなく、ひとつからでかまいません。
| 減らす | 増やす |
|---|---|
| 甘い飲み物 | 水・お茶 |
| 菓子パン・スナック | ナッツ・果物 |
| 白米・パンだけの主食 | 玄米・全粒粉・そば |
| 加工肉・揚げ物 | 魚・大豆製品・卵 |
| 毎日のお酒 | 飲まない日 |
野菜・海藻・きのこは、毎食どれかひとつ入れるのが目安です。和食は地中海食と共通する部分が多い一方で、塩分が多くなりやすいので、汁物や漬物の量に気をつけます。運動と組み合わせるメニューは勃起力を鍛えるには?にまとめています。
サプリメントは飲んだほうがいい?
アルギニン・シトルリン・亜鉛などのサプリメントは、上で紹介したように研究されている成分ですが、規模の大きい確かな研究は限られています。サプリメントは食品で、病気の治療や予防を目的としたものではありません。選ぶなら、国内で販売され、成分と量がはっきり表示されているものにしてください。海外の製品や個人輸入の薬には、表示にない医薬品成分が入っていたという報告もあります。
受診の目安
EDは、心臓や血管の病気、糖尿病のサインになることがあります。勃起の悩みが数か月以上続く、急に起きるようになった、健康診断で血糖・血圧・脂質を指摘された、胸の痛みや息切れがある場合は、食事を見直す前に泌尿器科・メンズクリニック・内科で相談してください。早漏の悩みも、泌尿器科やメンズクリニックで相談できます。
よくある質問
精力のつく食べ物はありますか?
「これを食べれば勃起力が上がる」と確かめられた食べ物はありません。研究で関係が報告されているのは、野菜・果物・豆・魚・オリーブオイルが多い地中海食に近い食事のパターンや、体重を減らす食事と運動の組み合わせです。うなぎや牡蠣など特定の食品だけに頼るより、毎日の食事全体を整えるほうが研究の結果に沿っています。
亜鉛は男性に効果がありますか?
亜鉛が不足すると男性ホルモン(テストステロン)が下がり、補うと上がったという小さな研究があります。ただし対象は亜鉛が足りない人で、足りている人がさらにとって勃起がよくなると確かめた研究ではありません。日本の成人男性の推奨量は1日9.0〜9.5mgで、サプリメントでとりすぎると銅の欠乏や貧血などが起こることがあります。
勃起力のためのサプリメントは飲んだほうがいいですか?
アルギニンやシトルリンなどの成分は研究されていますが、規模の大きい確かな研究は限られていて、薬の代わりにはなりません。サプリメントは食品で、治療の代わりにはなりません。選ぶなら国内で販売され、成分と量がはっきり表示されているものにし、個人輸入の薬や成分のわからない製品は避けてください。
このアプリやサイトでEDや早漏は治りますか?
「必ず治る」とお約束することはできません。メンズコアは、EDや早漏の悩みに向き合う男性のために、研究で効果が報告されている方法を届けるサイトとアプリです。骨盤底筋トレーニングや有酸素運動は、臨床試験で勃起機能や射精のコントロールに変化が見られたと報告されている方法の一つで、科学的な根拠にもとづくトレーニングとして提供しています。ただし研究の多くは小規模で、すべての人に同じ効果があるとは限りません。医療機器でも治療の代わりでもないため、症状が続く場合は医療機関への相談もあわせて検討してください。
参考文献
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- Esposito K, et al. Effect of lifestyle changes on erectile dysfunction in obese men: a randomized controlled trial. JAMA. 2004;291(24):2978-2984. search.pedro.org.au/search-results/record-detail/11354(閲覧日 2026年10月13日)
- Cassidy A, Franz M, Rimm EB. Dietary flavonoid intake and incidence of erectile dysfunction. Am J Clin Nutr. 2016;103(2):534-541. www.urotoday.com/recent-abstracts/men-s-health/erectile-dysf(閲覧日 2026年10月13日)
- Prasad AS, et al. Zinc status and serum testosterone levels of healthy adults. Nutrition. 1996;12(5):344-348. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8875519/(閲覧日 2026年10月13日)
- 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「亜鉛・銅の働きと1日の摂取量」(日本人の食事摂取基準 2025年版にもとづく) www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-zn-cu.html(閲覧日 2026年10月13日)
- Rhim HC, et al. The Potential Role of Arginine Supplements on Erectile Dysfunction: A Systemic Review and Meta-Analysis. J Sex Med. 2019;16(2):223-234. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30770070/(閲覧日 2026年10月13日)