早漏は生まれつき?後天的?遺伝の研究と4つのタイプ
参考にした論文や資料は記事の最後に載せています。医師の監修は受けていません。編集方針
「昔からずっと早い」のか、「ある時期から早くなった」のか。早漏は、いつから始まったかで考え方も相談先も変わります。生まれつきの部分がどれくらいあるのか、研究を見ながら整理します。

早漏には、初めのころから続く生涯型(生まれつきの面が大きい)と、ある時期から早くなった獲得型(あとから起きた原因が多い)があります。双子の研究では、早漏の傾向のばらつきの約28%が遺伝で説明できるとされていますが、残りは経験や環境の影響です。実際の相談では、ときどき早くなる自然変動型がいちばん多いという調査もあります。
生まれつきと後天的、どちらが多い?
答えは「人による」です。国際性機能学会(ISSM)は、早漏を始まった時期で2つに分けています。
- 生涯型:初めての性交のころから、ほとんどいつも1分ほどで射精してしまう。生まれつきの体質がかかわると考えられています。
- 獲得型:以前は問題がなかったのに、ある時期から3分ほどで射精するようになった。EDや病気、ストレスなど、あとから起きた原因がかかわることが多いとされます。
実際にどちらが多いかを調べた調査があります。
- わかったこと
- 生涯型は2.3%、獲得型は3.9%、ときどき早くなる自然変動型は8.5%、時間は短くないのに悩む主観型は5.1%だった
- 注意
- トルコでの調査で、日本の男性に同じ割合が当てはまるとは限りません
「自分は早い」と感じている人の多くは、生まれつきの生涯型ではなく、そのときの状況で早くなるタイプだということになります。
遺伝はどこまで関係する?
- 方法
- 一卵性と二卵性の双子で、射精までの時間やコントロールの感覚をアンケートで比べた
- わかったこと
- 早漏の傾向のばらつきのうち、約28%が遺伝の影響で説明できた
- 注意
- アンケートによる調査で、医師が診断したものではありません
約28%というのは「早漏の3割が遺伝で決まる」という意味ではなく、人による違いのうち遺伝で説明できる部分がそれくらい、ということです。残りの7割ほどは、経験や環境、そのときの体の状態などの影響と考えられます。
オランダでは、脳の神経伝達物質セロトニンにかかわる遺伝子のタイプと、射精までの時間の関係も調べられています。生涯型の男性89人では、遺伝子のタイプによって射精までの時間に2倍ほどの差がありました(Janssen ら、2009年)。ただ、早漏の男性とそうでない男性で、その遺伝子のタイプの割合に差はありませんでした。遺伝子ひとつで早漏かどうかが決まるわけではありません。
4つのタイプの見分け方
当てはまるものを選んでみてください。あくまで目安で、診断ではありません。
| タイプ | いつから | よくある状況 |
|---|---|---|
| 生涯型 | 初めての性交のころから | 相手や状況に関係なく、ほとんどいつも挿入後1分ほどで射精する |
| 獲得型 | ある時期から | 以前は問題がなかった。勃起しにくさや排尿の違和感が一緒に出ていることもある |
| 自然変動型 | ときどき | 久しぶりのとき、新しい相手のとき、疲れているときなどに早くなる |
| 主観型 | 決まっていない | 時間は数分以上あるのに、自分は早いと感じて悩んでいる |
自然変動型は、状況によって誰にでも起こりうるものと考えられています。主観型は、平均の時間を知るだけで気が楽になる人もいます。平均については早漏とは?何分からが早漏?で紹介しています。
あとから早くなったときに考えたい原因
獲得型は、別の原因があって早くなっていることがあります。次のようなものがよく挙げられます。
- ED:「萎える前に」と焦って早くなる。勃起の硬さに不安があるなら、EDのほうを先に相談したほうがいいこともあります。
- 前立腺の炎症:排尿のときの痛みや違和感、残尿感があるとき。
- 甲状腺の病気:動悸、汗をかきやすい、体重が減るなどがあるとき。
- ストレスや人間関係:仕事やパートナーとの関係の変化と時期が重なるとき。
原因ごとの説明は早漏の原因にまとめています。
タイプ別にできること
生涯型では、骨盤底筋トレーニングを12週間続けたイタリアの研究で、40人中33人が射精をコントロールできるようになったと報告されています(Pastore ら、2014年、比べるグループのない研究です)。医療機関では飲み薬などの選択肢もあります。
獲得型は、もとにある原因を確かめるのが先です。自然変動型・主観型では、スタート・ストップ法などの練習や、パートナーと話すことが役に立つことがあります。自分でできる方法は早漏改善のためにできることで詳しく紹介しています。
1分ケーゲルを、いまやってみる射精のコントロールにかかわる筋肉の練習を、ここで1分だけ。断面図の動きに合わせて、締める・ゆるめるを10回。登録もアプリも不要です。受診の目安
ある時期から急に早くなった、勃起しにくさや排尿の違和感がある、悩みが続いている、という場合は泌尿器科・メンズクリニックで相談してください。生涯型か獲得型かは、相談のときに医師が知りたい情報のひとつです。いつから・どんなときに早いかをメモしておくと話しやすくなります。
よくある質問
早漏は生まれつきですか?
人によります。初めての性交のころから続く「生涯型」は、体質や遺伝がかかわると考えられています。一方で、以前は問題がなかったのにある時期から早くなった「獲得型」は、EDや前立腺の炎症、ストレスなど、あとから起きた原因がかかわることが多いとされます。
早漏は遺伝しますか?
フィンランドの双子の男性1,196人を調べた研究(Jern ら、2007年)では、早漏の傾向のばらつきのうち28%ほどが遺伝の影響で説明できると報告されています。残りは環境や経験の影響で、親が早漏なら必ず子も早漏になる、という意味ではありません。
早漏には何種類ありますか?
国際的には「生涯型」「獲得型」の2つが定義されています。これに、ときどき早くなる「自然変動型」と、時間は短くないのに早いと感じて悩む「主観型」を加えた4つに分ける考え方もあります。トルコの調査(Serefoglu ら、2011年)では、早漏の悩みを訴えた人の中で最も多かったのは自然変動型でした。
早漏は自分で改善できますか?
自分でできる方法としては、骨盤底筋トレーニング、走るなどの有酸素運動、スタート・ストップ法などの行動療法が研究されています。どれも小規模な研究が中心で、全員に同じ結果が出るわけではありません。悩みが続く場合や、ある時期から急に起きるようになった場合は、泌尿器科・メンズクリニックで相談してください。薬やカウンセリングなどの選択肢もあります。
参考文献
- Serefoglu EC, et al. An evidence-based unified definition of lifelong and acquired premature ejaculation: report of the second International Society for Sexual Medicine Ad Hoc Committee for the Definition of Premature Ejaculation. J Sex Med. 2014;11(6):1423-1441. repub.eur.nl/pub/74335(閲覧日 2026年10月13日)
- Jern P, et al. Premature and delayed ejaculation: genetic and environmental effects in a population-based sample of Finnish twins. J Sex Med. 2007;4(6):1739-1749. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17888070/(閲覧日 2026年10月13日)
- Janssen PKC, et al. Serotonin transporter promoter region (5-HTTLPR) polymorphism is associated with the intravaginal ejaculation latency time in Dutch men with lifelong premature ejaculation. J Sex Med. 2009;6(1):276-284. cris.maastrichtuniversity.nl/en/publications/serotonin-trans(閲覧日 2026年10月13日)
- Serefoglu EC, et al. Prevalence of the complaint of ejaculating prematurely and the four premature ejaculation syndromes: results from the Turkish Society of Andrology Sexual Health Survey. J Sex Med. 2011;8(2):540-548. academic.oup.com/jsm/article/8/2/540/6844383(閲覧日 2026年10月13日)
- Pastore AL, et al. Pelvic floor muscle rehabilitation for patients with lifelong premature ejaculation: a novel therapeutic approach. Ther Adv Urol. 2014;6(3):83-88. doaj.org/article/aea4980b10dd4dd791f1f3168656deb5(閲覧日 2026年10月13日)


